地元密着のアメフト、神奈川で「陣地」拡大中 – 読売新聞



 日本社会人アメリカンフットボール・Xリーグが8月末に開幕し、神奈川県内でも東京都に次いで多い4チームが参戦。

 熱いプレーを繰り広げている。国内での認知度は決して高いとは言えないアメフトだが、チームや地元がファン層を広げようと努力し、じわじわと人気が広がりつつある。

 「今日のラン、良かったよ」。8月27日、川崎市川崎区の富士通スタジアム川崎で行われた試合後、昨年の王者・富士通フロンティアーズ(川崎市)の選手にファンが声をかけた。会場周辺で選手をファンが囲み、感想を語るなどして交流するのは恒例行事だ。選手はサインや写真撮影に気さくに応じ、引き続き応援を呼び掛ける。

 富士通はトップチームの一つだが、アメフトを「マイナースポーツ」と自覚する選手たちは、練習の合間を縫ってファンサービスのミーティングを開く。その中で生まれたのがファンとの「ふれあいの場」。キャプテン宜本潤平選手(26)は「より多くの人に見てほしいし、そうすればプレーにも勢いが出る」と語る。

 地元も盛り上がりに一役買っている。商店街・仲見世通りでは、飲食店経営の寺田哲也さん(48)を中心に8店舗が、「川崎アメフト屋台村」と銘打ちスタジアム前で露店を営業してきた。地ビールやハンバーガー、かき氷などスポーツ観戦のお供が並ぶ。一部の店はアメフトのルールを載せたパンフレットを置いている。

 チームを街づくりに生かしたい市から応援を持ちかけられたのがきっかけだが、寺田さんは「実際見てみたら迫力があって面白かった。微力だが盛り上がりに貢献したい」とのめり込む。宜本選手は「川崎で盛り上がり始めているのはすごく感じる」と感謝する。

 相模原市中央区の商店街「にこにこ星ふちのべ商店会」が応援するのは、ノジマ相模原ライズだ。17日の開幕2戦目には、商店会が住民に呼び掛け、会場の富士通スタジアム川崎への応援ツアーを組む。

 チームの前身は、不況のあおりで2008年を最後に解散したオンワードオークス。主力選手を中心に翌年再結成したが、安定して使える練習場所を失った。そんな時、同商店会が奔走してグラウンドを確保した経緯がある。チームは商店会に加盟。約60人の選手は商店街の清掃や通学路の見守りなどで地域に恩返しを続けている。

 今回応援するのは、強豪オービックシーガルズ(千葉県)との一戦。チームのマネジャー飯島沙織さん(34)は「昨シーズンは開幕戦で対戦し、1点差で敗れた相手。大きな声援がほしい」と多くの住民の参加を期待している。(谷口剣太、吉田尚司)

 ◆Xリーグ=1996年に発足。イースト、セントラル、ウエストの3ブロックに分かれ、計18チームが頂点を目指す。実業団とクラブチームがあり、選手は全て社会人。8月から12月までリーグ戦や上位チームによるトーナメント戦が行われる。今季、神奈川県内からは富士通フロンティアーズ(川崎市)、アサヒビールシルバースター(同)、ノジマ相模原ライズ(相模原市)、富士ゼロックスミネルヴァAFC(海老名市)が参戦している。




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