[FT]ホテル最大手、入国制限は米観光業に打撃 – 日本経済新聞



Financial Times

 ホテル世界最大手、米マリオット・インターナショナルのアーン・ソレンソン最高経営責任者(CEO)は、トランプ米大統領の移民政策が米国の観光産業に悪影響を与えていると注意を促し、海外旅行者が米国を避けているとの懸念を強く表明した。

トランプ政権の入国制限策は観光業へのダメージになりつつある(ニューヨークの自由の女神像を背に写真を撮る日本人観光客)=ロイター
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トランプ政権の入国制限策は観光業へのダメージになりつつある(ニューヨークの自由の女神像を背に写真を撮る日本人観光客)=ロイター

 ソレンソン氏によると、米国への入国制限の今後が不透明なため、企業や会議主催者が米国以外の場所をイベントの開催地に選ぶ兆しもあるが、今年の夏に米国への渡航を避ける可能性が最も高いのは観光客だという。

傷ついた米国の評判

 ドル高で渡米を断念する旅行者もいるが、ソレンソン氏は、トランプ政権が一部の国の人々の入国制限に注力していることが、フレンドリーな観光地という米国の評判を傷付けたと指摘する。

 同氏はテキサス州ヒューストンのマリオット・マーキース・ホテルの公式オープンイベントでフィナンシャル・タイムズ紙の取材に対し、「(米新政権が)人々の移動に関してとった行動は無益だ」と答え、「それは間違いない。良いニュースなど期待のしようがない」と述べた。

 同氏は昨年、146億ドルを投じた米スターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツ買収のかじを取り、同社を客室数で世界最大のホテルグループにした。

 こうした忠告の前にも、総予約数で世界最大手のオンライン旅行サイト、米エクスペディアのダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)が、米国旅行への関心が薄らぐ中、ホテルや航空会社は価格を大幅に引き下げていると述べている。

 米商務省の旅行観光業担当部局によると、2017年1月の訪米客による旅行・観光関連のモノやサービスの購入は16年1月より1%減少している。業界団体「世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)」は先月、観光客に「反米感情」の「初期兆候」が見られると指摘した。

 WTTCは、旅行業界の17年の成長率を昨年より0.5ポイント低い2.3%になると見込んでいる。同業界は全体で16年に国内総生産(GDP)の8.1%にあたる1兆5000億ドルの経済効果を米国にもたらした。

 ソレンソン氏は「政権に『我々は(安全保障リスクなどの)他の問題に取り組んではいるが、実のところは、世界中の人々の訪問を歓迎しており、旅行しに来てもらいたいと伝えたい』とのメッセージを発するよう働きかけている」とした上で、「明らかに、こうした声は政権にはまだあまり届いていないようだが、引き続き働きかけるつもりだ」と語った。

会議の開催地をカナダへ変更

 また、企業グループが米国ではなくカナダを会議の開催地に選んだケースを「少なくとも数例」把握しているとも述べた。

 同氏は「一部の海外顧客からは、外国からの団体客を米国の入国審査に通すのは心配だと聞いている」という。

 米国の税関や入国の審査は、トランプ氏が外国人に対する「細心の入国審査」を含む政策を掲げて大統領に就任する前から、より立ち入ったものになっていた。16年度に職員が調べた電子機器は2万4000台で、15年の4764台の5倍以上となっている。

By Murad Ahmed

(2017年4月18日 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)

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