くまモン海外解禁「困惑」、中国参入で減収懸念…輸出企業 – 読売新聞



 熊本県がPRキャラクター・くまモンのイラスト入り商品の製造・販売を海外企業に解禁したのを受け、商品を輸出する県内企業に困惑が広がっている。中国企業などの参入で売り上げが減る恐れがあり、輸出を見合わせる企業も出ている。県は「熊本の知名度向上につながる」と理解を求め、県内企業への優遇措置を行う。

 イラスト入りの文具やぬいぐるみは、県内企業か県内に製造拠点がある企業に限り、海外での販売が認められていた。しかし、県は「くまモンの海外での認知度を高め、熊本を訪れる人を増やしたい」と、8日から、海外企業にも利用を認める運用を始めた。

 海外での許諾業務などに費用がかかるため、これまで無料だった海外で販売する際の利用料も、国内外の企業を問わず、小売価格の一部を徴収する予定だ。

 県によると、くまモンの商品を輸出する企業は、県内に製造拠点を持つ県外企業などを含め約30社。売り上げは、くまモン人気の高い中国や台湾を中心に、年間8億円程度という。

 文具やぬいぐるみを中国や台湾に輸出してきたある県内企業は、海外解禁が発表された4日以降、海外の取引先から注文のキャンセルが相次ぎ、損失額はグループ会社分を含め約600万円に上るという。同社は「解禁を受け、中国の大手企業の大量生産が予想されるため、輸送費と関税がかかる日本からの輸入品は不要と考えたのでは」とみる。

 くまモン商品の海外向けの売り上げは年5000万円を超えているが、同社は大半が消失すると覚悟している。「くまモンが無名の頃から、中国などでの物産展に赤字覚悟で出すなど、成長を応援してきたのに」と落胆する。

 また、同じく中国に輸出してきた別の企業は、利用料を有料化するとの方針を知り、予定していた輸出を見合わせた。「利用料分は価格に上乗せする必要があり、購入してもらえるか不安」と語る。

 これに対し、県は、海外で近年、くまモン商品の偽物が増えたとし、「粗悪品を放置すれば、ブランド価値が下がる。海外企業に利用を認め、利用料を得ることで、不正の監視も強められる」と意義を強調する。

 県は今後、くまモンの利用を始める海外の企業からは小売価格の5~7%程度の利用料を徴収する予定だが、県内企業は3~5%程度に抑えるなどの優遇措置を設ける方針。「解禁による経営への影響はゼロではないだろうが、くまモンの海外での知名度が上がれば、県内企業にも波及効果が期待できる」としている。県内企業には15日、優遇措置に関する説明会を行うという。




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