滞在型観光 呼び水に 平城宮跡周辺に交流・宿泊拠点 – 読売新聞



 ◇2020年に一体開業

 奈良市役所南側で県が計画する国際会議場などの交流拠点施設の起工記念式典が15日、奈良市の奈良春日野国際フォーラムいらかで開かれた。同施設と隣接する国内初進出の外資系高級ホテル「JWマリオットホテル奈良」などが、東京五輪前の2020年春に一体開業する予定。平城宮跡周辺は、観光施設の計画が相次いでおり、新たな奈良の観光エリアとして注目される。(岡本輝之)

 県によると、県営プールと奈良署跡地の約3ヘクタールを活用する。県が整備する交流拠点施設は、延べ床面積約3万5000平方メートルで、県内最大級の2000人規模の大会議場などを備え、国際会議や専門学会などに対応できる。

 隣接する屋根付きの屋外広場(約1000平方メートル)は、朝市やコンサートなどの利用を想定。県産食材を使った飲食店のほか、バスターミナルや400台分の駐車場も整備する。設計、施工から開業15年間の運営費を含めて総事業費は約219億円に上る。

 「JWマリオットホテル奈良」は森トラスト(本社・東京)が運営。市の高さ規制31メートルに合わせた地上6階建ての約150室で、米ホテル大手マリオット・インターナショナルの創業者名を冠した最高級ブランドだ。

 式典には、県などの関係者約140人が出席。荒井知事は「交流・宿泊拠点の一体展開は、奈良の観光に心強い」とあいさつした。

 曽祖父が桜井市出身という森トラストの伊達美和子社長は「JWマリオットと、(別に手がける)奈良公園・吉城園よしきえんのホテル計画は国内外の関心が高く、奈良に(観光地の魅力度について)潜在力がある証拠。地域に愛される施設にしたい」と語った。

 大宮通りは従来、東大寺や春日大社などの奈良公園周辺と、薬師寺、唐招提寺などの西の京周辺を結びながら、目立った施設がなかった。今回の計画は、来春に誕生する平城宮跡歴史公園と、旧イトーヨーカドー奈良店を改装する観光型の複合商業施設と合わせて、新たなにぎわいづくりの呼び水となるか――。県の担当者は「駆け足の日帰り観光ではなく、奈良にじっくり滞在してもらう拠点になってほしい」と期待する。

 観光庁の昨年の都道府県別延べ宿泊者数では、奈良県は全国46位と低迷。県によると、2015年の県内観光客は4146万人で、宿泊者数は約277万人と1割未満だ。多くは大阪や京都に宿泊し、日帰り客がほとんどとみられている。




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