平成24年度奨学生レポート



2015年春

山川 詠太郎

米国ペンシルベニア州立大学 

大学生活後半戦の1年目の三年生もあっというまにおわってしまい、あと1年というところまでくると、もうすぐ卒業という嬉しい気持ちと、大人になってしまうことへの恐怖でなんだか複雑な気持ちです。

 さて、学部での本格的な勉強が始まった三年生の総締めとなる春学期ですが、学業面ではまたしても厳しい1学期となりました。授業内容としては、一つを除いてすべてが学科の必修授業で、そのどれもが難しいものでした。その授業の内訳は、流体力学、制御、実験、航空工学、そして選択授業だったパンクロック史の5つです。成績のほうですが、必修ではなかったパンクロック史以外はまたしてもぎりぎりの成績と言わざるをえないものでした。

 まず必修の授業ですが、制御と流体の授業は前学期からの引き続きでした。流体の授業では、特に音速以上での空気が流れる性質などをまなびました。制御の授業でも前学期と同じように、宇宙空間での衛星やロケットなどがどうごくかというのを、プログラミングなどを使って学びました。内容としては前学期からあまり変更がないのですが、この学期からグループワークが増え、特に自分でグループを選べなかったので、知らない人と様々な課題をこなしていくのは、最初はなかなか苦労しました。この二つは前学期から継続ということで比較的らくだったのですが、それでも胸を張れるような成績はとれなかったのは、残りの二つの授業にかなりの時間と労力をさいていたからです。

 まず、実験の授業ですが、構造と流体の2パートがあり、どちらかのパートを先に行い、学期の半分で切り替わるというものでした。実験のグループはランダムで決められたのですが、そのうちの一人がもともと仲の良い友達であったことと、他のグループメンバーも優秀で協力的な人ばかりだったのでたすかりました。僕たちのグループは構造から始めたのですが、この構造の実験というのがとても地味で退屈なものでした。センサーのついた鉄の棒に重りをひたすらつけて曲がる具合をはかったり、火薬を抜いたミサイルを叩いて振動するのを計測したりと、僕が考えていた航空工学の実験とははるかにかけはなれた、地味なものでした。これだけ聞くとこの授業はそんなに大変ではないように思えますが、大変なのは授業のあとのレポートで、これに週のほとんどの時間を割いていたような気がします。まず、実験で入手したデータの量が膨大で、これをレポートに使える形にエクセルなどを駆使してまとめていくのはかなり骨の折れる作業でした。レポート自体にも、書かなければならない内容が詳細に決まっており、書き終わると10ページを超える量になっていることも当たり前でした。学期の後半に始まる流体パートでも基本的にはやることは一緒でしたが、実験自体が構造に比べて少し華やかになったのがせめてもの救いでした。風洞とよばれる大きなトンネルの中に翼などの縮小版を置き、トンネル内に風を流して、翼の周りの空気の流れを観察するというものでした。実際、実験中は機械が勝手にデータを取るのでかなり暇なのですが、これこそまさに僕がイメージしていた航空工学の実験だったので構造パートに比べてもかなり楽しかったです。ただ、レポートの大変さは変わらずだったので、毎週涙目になりながら仕上げていました。この授業は難易度そのものよりも時間をかなり取られることが大変でした。

 もう一つ今学期大変だった授業は、航空工学の授業です。これは飛行機がなぜ飛ぶのかということや、飛行機が飛んでいるときに各部でどういうことがおこっているのかということを学ぶ授業でした。授業の内容自体は、今までただの数式として学んできたものの意味がやっとわかったりと、すごく興味深いものだったのですが、授業を教える先生がかなりの名物先生で、学部でも単位をもらうのが一番難しい授業として有名で、実際かなりの数の4年生が再履修しているほどでした。授業スタイルがかなり特殊で、スピードも速い上に先生がほとんど板書をしないのでしっかり集中していないとすぐに話がわからなくなってしまうのですごく大変でした。その上、毎週小テストがあるのですが、その内容も先生の気まぐれでかわるので、毎回悲惨な点数をとってしまいました。その中でも、なんとかまわりに助けてもらいながらギリギリではありますが、単位を取得することができて本当によかったです。

 もうひとつ、選択授業として履修していたのは、パンクロック史という授業でした。これは読んで字のごとく、パンクロックの歴史を紐解くという授業でした。もともとパンクロックという音楽は好きでしたし、なにより授業がオンラインベースで毎週のクラスがなかったので履修しました。パンクロックと聞くとセックスピストルズなどが有名ですが、実際にはそれより以前にあまり日の目を見ることがなかった様々なパンクバンドがいて、そのバンド達も他のジャンルの様々な有名なバンドから影響をうけていたということや、様々な有名なパンクの曲が作られた背景にどのような社会的な事件があったのかなど、今まで知らなかったことを学べてすごく興味深かったです。簡単なクラスだからと取ってはみたものの、そういった歴史的なものや今まで知らなかった様々なバンドを知ることができたのですごく面白い授業でした。

 課外活動ですが、今学期は忙しい忙しいと言ってばかりいてサボっていました。前学期参加した、学生フォーミュラの方もなかなか時間を見つけることができずにほとんど顔を出せませんでしたし、その他の課外活動も参加するチャンスがあったにもかかわらずやはりなにかと理由をつけて参加しませんでした。今覚えばかなりの時間はあったし、その辺の時間のマネージメントをもっとうまくできていれば様々なことができていたのに、と反省しています。

 秋学期とはうってかわって、学校全体が雪に埋もれることもあり、アメフトなどのイベントが少なくほとんど勉強していたように思います。

 あと1年で卒業ということで月日の流れる速さにびっくりしていますが、最後一年しっかりと気を抜かずに予定通り卒業できるように頑張りたいです。卒業後の進路についてもまだ不透明なままなので、その点についてもしっかりと考えて決めていきたいと思います。

2015年秋

藤野 希望

米国ハワイ大学マノア校

    今学期は、初めて寮ではなく、家を借りて3人でシェアハウスをしました。大家さんがとてもいい方で、感謝祭の時はホームパーティーに招いて下さったり、 オアフ島を1周するショートトリップに連れていって下さったりしました。また、私が自炊している日本食を教えて欲しいと言って下さり、大家さんと、大家さんの友人を家に招いて何度かちょっとした日本食の料理教室もしました。中国出身の大家さんには、本場の中華料理を教えて頂き、好きな料理を通して異文化交流ができました。

 また、友人に誘われ、初めての茶道にも挑戦しました。まさか、アメリカで茶道を習うとは思ってもみませんでしたが、だからこそ、和のおもてなしの心や、侘び寂びの精神を一層感じ、学ぶことができたと思います。

 渡米してからの3年半を振り返ると、決して楽なことばかりではありませんでしたが、様々なひと、もの、価値観に触れ、刺激的で本当に恵まれた大学生活だったと思います。そのなかで、新しい自分の強みや弱みを発見し、それを活かせる将来の目標を得ることができました。 これから留学を考えている人は、常にアンテナを張って、色々な事に挑戦して、全力で取り組んでみてほしいです。明確な目標があるのが一番望ましいですが、なかったとしても必ず得るものはありますし、それが将来の目標や成長に繋がると思います。始めは戸惑うことや、困難なことも沢山あるかと思いますが、そんな時は、周りに助けを求めて下さい。そうすれば、必ず誰かが力を貸して、応援してくれます。また、その気持ちに感謝して、一生懸命応えることで、周りとの良い関係も築けるはずです。私自身、日々周りに支えられていましたし、留学で得た経験と出逢いが何よりもの財産です。

 最後になりましたが、大学留学という自分を大きく成長させるチャンスを与えて下さり本当にありがとうございました。「日本と海外の架け橋になりたい」という漠然とした目標だけを持って渡米しましたが、留学生活を通して、自分を成長させ、自分を見つめ直し、明確な目標を得ることができました。今後は、 今まで支えてくれた人々に恩返しができるよう、社会に貢献していきたいです。


山川 詠太郎

米国ペンシルベニア州立大学 

 気づけば大学生活最後の年となっており、月日の流れる速さに驚いています。学生という身分で居られるのもあと数ヶ月しかないと思うと、社会に出ることに対するワクワクする気持ちと同時に、このモラトリアムが終わってしまうことへの寂しさと不安を感じております。

 さて、勉学の方ですが、最終学年ということもあり、日本で言うところのいわゆる卒業制作にあたる、シニアプロジェクトと呼ばれるものにほとんどの時間を費やした一学期でした。

 私が通う航空宇宙工学部では、4年生で航空機、宇宙機、ヘリコプターの三つのコースから1つを選択することになります。もともと流体力学に興味があった私は、その中でも一番流体の知識が使えそうな航空機コースを選択しました。

 航空機コースの中でもさらに選べるプロジェクトが3つあり、ボーイング757型に変わる飛行機を設計するプロジェクト、小型のアクロバット用の飛行機を設計するプロジェクト、そしてDEPと呼ばれる推進システムを搭載した19人乗りの小型商用飛行機を設計するプロジェクトの中から選ぶというものでした。

私が選んだのは、19人乗りの小型商用飛行機の設計プロジェクトで、これはNASAが主催になって行っている学生コンペでもありました。 DEPはDistributed Electric Propulsionの略で、NASAが主体となって研究しているハイブリットの推進システムです。具体的には、推進力自体は電気モーターについたプロペラから生み出されるのですが、そのモーターのための発電を通常のジェットエンジンで行うことによって、従来のプラペラ機よりも静かでより良い燃費で飛ぶことのできる飛行機です。

 このプロジェクトには6人のランダムに選ばれたチームで取り組みました。今までのプロジェクトは自分でメンバーを選ぶことができることが多かったので、気の知れた友人と取り組むことができたのですが、今回はランダムに選ばれたということで、初対面のメンバーと取り組まなければいけないのはなかなかに大変でした。プロジェクト自体もかなり難しいものなのに、まずは人間関係を構築しなければいけないのは、お互いに気を使うものでしたが、かなりの時間を一緒に過ごしたので学期の終盤には一緒に飲みに出かけるくらいまで親しい関係になることができました。

 プロジェクトでは、今までの授業で習った様々な公式や知識を利用し、翼の位置や大きさ、翼断面の形などの飛行機の様々な諸元を設計していきました。中でも私たちのプロジェクトは、まだ現実に存在しないDEPという推進システムを使うこともあり、燃料重量やエンジン周りの設計に関してはかなり苦労しました。

 私が通う大学では、エンジニアにとって一番大切なスキルはコミュニケーション能力だと一年生の頃から教えられました。エンジニアというのはチームで働くものであるからという考え方からです。そのため一年生の頃から数多くのグループワークを課されるのですが、このシニアプロジェクトはある意味その集大成というべきものかもしれません。逆に言えば、今までの様々なグループプロジェクトで練習したおかげで問題なく取り組むことができました。最初の頃は英語もそこまで得意ではなかったので、かなり嫌々取り組んでいたグループプロジェクトでしたが、四年目になった今思えば逆にありがたいものでした。

 今学期は就活の様々な準備などで行けないミーティングも数多くあり、チームメイトにはその点で少し迷惑をかけてしまったかと思います。来期も引き続きこのシニアプロジェクトはあり、時間的にも余裕があると思うのでもっと密にコミュニケーションをとって取り組みたいと思っています。



山川さんと現地の友人の写真


こんな記事もよく読まれています