平成25年度奨学生レポート



2014年冬

廣瀬 百合子

米国ローレンス大学

 早くも大学2年目の3分の2が終わり、ウィスコンシンにも春が来る時期かなと思いきや、つい先日雪が降り、また積もってしまいました。私的には、今学期から生物学の専門的な分野を本格的に学び始めたのではないか、と感じています。又、今学期は私の好きなアートも少し専門的な分野を学んでみることにしました。今までは、比較的Intro.のクラスが多かったのに対し、今学期はそれがなかった為、学んでいる実感が今まで以上にありました。
【学業面】
 今学期の時間割は、生物学(環境生態学)、彫刻、音楽(フルート)、シンフォニック・バンド…と芸術に富んだスケジュールでした。これに加え、Teaching Assistant (TA) として、週4コマ日本語のクラスを受け持っていました。環境生態学は、興味があった科目だったうえに、D-Term(冬季休暇中の特別講義)中にもお世話になり、ローレンスでの唯一の海洋生物学専門の教授が教えていた為、とても楽しめました。彫刻に関しては、様々な機械の使い方を習うのはもちろん、本格的に木を使って創作しました。今学期は、環境生態学や彫刻と時間を割かなければならないクラスが多かった事と、シンフォニック・バンドのリハーサルの時間帯が今までよりも遅かった為、毎日遅くまで課題に追われ、日が登るのを見てから寝る日や、寝ない日も珍しくはありませんでした。次の学期、つまり3年生になる前に、正式に専攻を決めなければならず、私は生物学で確定ですが、海洋生物学の方へ分野を絞って学んでいく事が出来るようにしたいと考えています。
【生活面】
 今学期は前学期とスケジュールが大幅に異なるので、前学期以上に友達との時間が増えた気がします。週末は遅くまで友達と話したり、時間を共にし、なぜか今まで過ごしてきた学期の中で一番楽しかった学期だったような気がしました。今学期は、Lunar New Yearイベントがあったり、学期の後半からは、4月中旬に行われるインターナショナル生主催の行事:International Cabaretの練習が始まり、大学の行事が増えてき、春学期に行われる様々な行事が楽しみになってきました。冬は相変わらず寒く、図書館かScience Hall (化学・生物学・物理学の授業が行われたり、実習室のある建物)で大半を過ごしました。

廣瀬さんの写真

2015年秋

廣瀬 百合子

米国ローレンス大学

 11月末に1学期が終わり、長い冬休みに入りました。大学生活の中で残された冬休みは、今回を含めてあと2回しかないので、この冬は友人とシカゴへ出かけたり、来年の夏に卒業する他大学のアメリカ人の友人を訪ねてカリフォルニアへ行く予定です。今回会いに行く友人は、1年生終了時の夏に、”H-LAB”という「リベラル・アーツ」をテーマに行われる、日本人高校生向けのサマー・スクール(教育・国際交流プログラム)に、私がハウス・リーダーの1人として参加した際に知り合い、以後、連絡を取り合っていました。今考えてみると、あの夏は最高に充実していました。様々なバックグラウンドを持つ同世代の人達と出会い、「出会えて良かった」と心から思える人達と共に約2週間を過ごせた事は、私にとって一生の財産になると感じました。人生は、どれだけ色々な人と出会えるかで、随分と変わってくるのだろうな、とつくづく思います。私の大学生活も、残すところあと1年半となってしまった訳で、今までに出会った人達、そして今後出会う人達との交流・ネットワークというのは色々な意味で重要になってくると思います。特に、私は高校生活を福岡とスウェーデンで、大学生活をアメリカでと、それぞれ違った環境で過ごしました。その中で出会うことが出来た人達は、その限られた時にその場所でしか出会えなかった人達だと考えると、周囲の人達との接し方や、共に過ごす時間に対する意識が変わってくるな…と、最近つくづく感じます。

 遂に大学生活も前半が終わって後半にさしかかりました。正直、3年生の1学期目が終わったという感じがしません。あっという間だった気もしますが、それなりに色々苦労した面が多々あるので、「つい最近1年生だったのに」なんて感じる事はありません。ただ確実に言える事は、今まで過ごしてきた学生生活の中で、一番学生らしい充実した楽しい生活をしているということです。もちろん、学業面においても、専門の生物学を学ぶ中で、教授と近い関係で学べたり、好きな時間に好きなだけ実験室に居られたり、興味のある分野があれば自ら教授に話して取り組むことができる、という恵まれた環境です。専門分野だけでなく、音楽だったり他言語学習など、何かに打ち込むことができる、そして今までに打ち込んできたことを伸ばすことができる、そして何より、勉強仲間だったり夜通し話したり頼りになる友達がいる、これらは本当に何にも変えがたい素晴らしい環境だな、と感じます。確かに、毎日の課題の量が半端ではないし、授業後は実験やフルートの練習、データ分析や実験レポート…図書館と理系の建物は、もはや “my second home” というよりも “my home”になってきています。1学期目は実験室で寝泊りしたり、水槽や電子顕微鏡、光学顕微鏡やPCR装置の横で過ごすことが多かったです。でもその分、週末も実験室に通うという日課は変わらないものの、友人と時間を過ごしたり教授と学内のバーで会ったり、課題がありながらも楽しみがありました。睡眠時間が足りないと感じることはよくあります。でも、1つのことをやっている時は他のことを考えない、長期の休みの時は学校のことは忘れて…というメリハリがある生活なので、正直ストレスを感じている暇がありません。とにかく毎日予定が詰まっていながらも息抜きが出来ていて、毎日友達と共に勉強できることが楽しいです。

 今学期、私は3科目を受講したのですが、中でも”Aquatic Ecology”のクラスは私のお気に入りの教授が教えていたこともあり、とても楽しかったです。Writing Intensiveという、書くこと(このクラスではフォーマルな実験レポート)に重点を置くクラスで、今までにない量の実験レポートを書き、相当鍛えて頂きました。データ分析も様々な計算式やコンピュータープログラム、用法を使って行い、どうすれば正確に忠実に、生物学に馴染みのない人にもより簡単に効果的に伝えることができるか、をひたすら叩き込まれました。特に、Results Section(結果)と Discussion Section(考察)の内容をはっきり区別することは、最初は困難でした。 Results Sectionでは、とにかく実験の事実(データ・解析結果)をわかりやすく示す、その中で計算過程を示したり観察事項を書く、グラフやデータが表す数字の結果を唯々報告する、他のグラフと比べて数字的にどうか曲線や直線がどう変わっているか、をひたすら示します。つまり、その数字が何を意味するのかを、ここでは書いてはいけないのです。これにはとても苦労しました。一方、考察では、考察の視点、判断の根拠や判断の結果を基礎的な内容から発展的内容に持っていきながら書きます。基礎的な内容というと、計測精度や材料の検討、そこから実験条件、変数の影響、理論・文献との比較をし、結果の解釈・総合的な判断をした上で、応用の可能性だったり今後の課題を書きます。つまりここで大事なことは、予想結果(仮説・理論)との比較、方法の比較(条件や実験方法)、誤差の分析、実験の問題点そして改善点、結果の応用、関連する理論の引用をしっかり書くことです。自分のやっている実験に合った文献や理論を読み漁り、自分の実験とどう照らし合わせ書いていくか、結構苦労しました。もちろん、思っていた以上に文献は読まなくてはいけませんでしたが、意外なことに、数学の知識がどれほどあるかで、データ分析の解釈の仕方や応用への利かせ方が変わると感じました。数学を思い出すことが、とても重要です!

 データ分析だったり実験レポートを書くことは、とにかく責任が伴うと思います。それは詳細に正確に書くということだけでなく、文献の引用の仕方や、データに誤差があった際の対処法、生のデータを保存すること、客観的な方法でデータを整理することも含めてです。それこそ最近ありがちな、予測される結果に合わせるために、一部のデータを書き直したり、画像の一部を消去したり、不正に加工したりというのはあり得ないことです。私は、実験は失敗してなんぼ、仮説通りになることが当たり前ではないのだし、むしろ一度で綺麗な結果が出るような実験は、あり得ないと思っています。綺麗な結果を求めるのだったら、そもそも実験なんてする必要はない訳だし、自分が行った或いは立ち会った状況で何が起こったのかを忠実に書くことが大事で、失敗したり毎回結果が多少違うことは、日々生物や環境が変わっている中では当然の事だと思います。それが、ある意味生物学や自然の魅力なんじゃないかなって思います!

 いつもならこの時期に雪が積もっているはずなのに、今年は雪が降っていません!9月に新入生に「ここの冬は、とんでもなく寒くて雪もすごいから!」と言いましたが、「どこに雪あるの?」と最近よく言われます…私はもう懲り懲りですが、新入生のために、ウィスコンシンらしい積雪になってほしいです!

廣瀬さんの写真

写真:”Aquatic Ecology”のクラスでの野外実験。私は他のクラスメートが採取しきたサンプルに、色々な溶液等を足し、湖の水質を調べる役でした。


福田恵蓮

米国カリフォルニア大学

 UCSDでの3年目が始まり大学生活後半に突入し、変わらずとても忙しく充実しています。学問に追われる毎日ですが、多様性のある環境の中で学生生活を満喫しています。
 2年生からリサーチアシスタント(ボランティア)として関わっているLanguage and Development Labという発達心理学の研究室では、子供を対象としたリサーチの手伝いをしながら論文を読んだり研究内容のプレゼンテーションをしたりしています。3年生になり、PhDの学生の実験の実行を任されるなど、責任の重い仕事を任されるようになりました。大変な側面もある一方、より研究内容に深く関われるようになり楽しんでいます。学部生にとってアメリカの大学の研究室の長所は、「・・年生から研究室に入って~をする」といったゼミのような決まったプログラムがないことが多いため、自分の意欲さえあれば様々な研究にいろいろなレベルで携わることができることです。私は現在、子供がどのようにして「時間」という抽象的な概念を空間において表現するかというテーマの研究に関わっています。2016年5月にロサンゼルスで開催される学部生の心理学学会で研究内容を発表することが現在の目標です。研究室では、教授・マネージャー・大学院生・学部生みな様々なバックグラウンドを持っており、研究内容に限らず多様な話をできて嬉しいです。このような環境に恵まれ、私もacademics(学者)の道に進むことを考え始めています。
 今学期は昨年度まで働いていたインターナショナルセンター(留学生のサポート部門)での仕事はしませんでしたが、インターナショナルセンターのイベントに参加したりボランティアとして留学生のオリエンテーションの手伝いをしたりと留学生コミュニティーに貢献し続けられるよう努力しました。イベントの一つである毎週金曜日に開かれるInternational Friday Caféでは様々な国や地域・バックグラウンドから来た学生や学者と、学問だけでなく国や文化の話をすることができます。このような交流は授業を受けるのと同じくらい学ぶことの多い貴重な機会だと感じており、大切にしています。私の大学生活を彩っているのは様々な人との出会いであり、インターナショナルセンターのイベントは私の学生生活に欠かせないものとなっています。センターでの活動の成果が認められ、来学期学生アシスタントとして戻って来ないかというオファーをいただき、来学期からまたそこで仕事をすることになり楽しみにしています。
 その他の生活面においては、友達と4人でのシェアハウス生活を楽しみながら、友達やクラスメイトたちと外出したり食事やパーティーをしたりしています。私のように学問に没頭している学生が多いため、あまり「遊び文化」が強い大学ではありません。ですが、勉強の合間を縫って仲間と集まっては授業で学んでいることについて話したり科学・歴史・政治・哲学について議論したりとアカデミックな環境ならではの付き合いをとても楽しんでいます。3年生になって行動範囲がさらに広がり、友達とハイキングやコンサートなど少し遠方に出かけることも多くなってきました。
 授業、研究室、インターナショナルセンターでの活動、仲間との付き合い、進路についての悩みと目が回るような生活を送っているなかでそれをエンジョイしている自分がいるように感じます。3年生になり学部生活の終わりが見えてきて「卒業」というタイムリミットのようなプレッシャーを感じるようにもなりました。しかし、プレッシャーや不安に負けずに毎日を大切に過ごしたいと思います。
福田さんの写真           
写真について:ハウスメイトたちと、日本食料理屋で。普段はそれぞれ学問・仕事・課外活動で忙しく、同じ家に住んでいても一緒に過ごす時間はほとんどありませんが、時々時間を作って一緒に出かけたり映画をみたりしています。

2015年冬

廣瀬 百合子

米国ローレンス大学

 今学期は、1年間休みをとっていた友人が大学に再び戻ってきたり、過去に1年間ローレンス大学に交換留学に来ていた友人がキャンパスに遊びにきたり、私が大学に来たばかりの1年生の時の事や懐かしい頃の事を思い出す機会が多い学期でした。正直、大学に入りたての頃を思い出すと、随分と昔の事の様に思えてしまうのですが、6月で3年生が終われば、あと1年しかここでの生活がないと思うと、時間はあっという間に過ぎていくな…と少し悲しい気がします。ここでの生活は、今までの学生生活の中でも色々な意味で濃く、ローレンスに来なかったら…という想像すら難しい程、楽しんでいます。高校生や中学生の時は、正直心のどこかで周囲を気にしたり、他人からどう評価されるかを気にすることもあり、「羽を広げてのびのびと楽しんでいたか」と言われると、正直「そうしていた」つもりで「できていなかった」気がします。ローレンス大学に来てから、今までの自分とはまた違った「自分」に出会えたのか…それとも、それが本来の「自分」だったのか…よく分かりませんが、それ程自分の変化、ローレンス大学に来る前の自分と来た後の自分の違い、を感じます。色々考えると、自分に最も刺激をくれたのは周りの人達、特に世界各国から集まってきている友人だと思います。日本やスウェーデンにいた時は、仲が良い友人がいたとはいえ「日本人の友人」「スウェーデン人の友人」と、なんとなく無意識に「どんな人と」よりも「どこ出身の人」と仲が良いのか、つまり無意識に人の本質より出身地を先に考えてしまい、それでなんとなく少し満足していた自分がいた気がします。しかし、ローレンスに来て、世界各国から集まった学生と一緒にキャンパスライフを送る中で、去年まで自分が唯一の日本人学部留学生だったせいもあり、いつの間にか気づくと自分が段々と仲良くなっていく友人が、特に「インターナショナル生の学部留学生」や「アメリカ国内出身の学生」といったように区別することはなく、「どこ出身であれ居心地が良い人と仲良くなる」ようになっていました。つまり、「アメリカにいるからアメリカ人の学生の友人を作らなきゃ」とか「アジア人といつも一緒にいる人とはそれなりの良い距離を保とう」という意識などどこにもなく、ただただ「行く所々で出会った人達と話して楽しい時間を過ごす。自分が一緒にいて楽だなと思った人と一緒に時間を楽しむ。その相手がたまたまアメリカ人ならそれでいい、たまたま日本人ならそれでもいい。『人』として一緒にいるのが楽しければ、出身地やその他は後からついてくるもの。」と感じるようになった訳です。

 これは私にとっては大きな気づきだと思います。1年生の時は無意識のうちに「日本人が少ない大学に行きたいって思ったけど、まさか自分1人だけだとは…これは友人を作って沢山の人を知らないと!」と焦っていたのかもしれません。結果的には、それが上手く今の自分の人間関係の構築に繋がったのだと思います。

 この小規模なリベラルアーツ・カレッジ、この小さなコミュニティーでしか経験できない事だったのかもしれない、と今更ながらに思います。そう考えると、この環境を選んで、今の友人に出会えた事が、自分にとって最高に良い選択だったと、思い知らされます。

廣瀬さんの写真

写真:学内の旧正月のイベントで教授の息子さんと。


福田恵蓮

米国カリフォルニア大学

 3年生の2学期目が終わりました。UCSDでの学部生としての生活も残り1年1学期間と考えると不思議な感じがします。卒業するときに悔いのないように充実した学生生活を送る努力をしています。

 今学期はインターナショナルセンター(留学生のサポート部門)での仕事を再開し、UCSDで学ぶ留学生の入国書類発行の手伝いや相談受け付けの仕事をしています。私にとって、同じように海外から来てUCSDで学んでいる学生のサポートをすることができるとてもやりがいのある役目です。授業・課題や研究室でとても忙しい生活ですが、UCSDのコミュニティーに貢献する活動を続けたいので慌ただしい生活の中でもこの仕事をすることができて嬉しいです。

 今学期はほとんど空き時間がなく、あまり仲間とゆっくり過ごすことができませんでしたが、1年生からの友達と4人でのシェアハウス生活を楽しんだり、クラスメイト達と夕食を食べに出たり、研究室の仲間や先輩方と食事をしたりしました。アメリカの大学生がよく言う「大学では勉強・遊び・睡眠、の3つのうち2つしか選べない」、というのは本当のような気がします。「寝なくて良いならもっと課外活動をしたり遊んだりできるのに!」と頻繁に思います。学問に集中するのはもちろんですが、アメリカでの生活を十分楽しめるよう、バランスを保ちながら学生生活を送りたいです。

 また、大学生活最後の夏休みに向けて予定を組み始めました。夏季インターンシップにいくつか応募し内定をもらい、イェール大学の発達心理学の研究室でのリサーチアシスタントのインターンシップをすることにしました。この夏、心理学の研究にさらに深く関わることができてとても楽しみです。また、米国の東海岸に行ったことがないのでそちらの都市や大学を訪問してみようと思います。カリフォルニアと雰囲気が違いそうなので、同じ国でもとても違った経験ができそうです。

 冬学期はオナーズプログラムの授業や研究室、仕事、インターンシップへの応募・面接とかなりchallengingな学期でしたが、来学期も引き続き挑戦に立ち向かいながら前に進んで行きたいと思います。

福田さんの写真            

写真について:キャンパスのあるLa Jolla(ラホヤ)の海岸をバックに。中間試験や課題から気分転換をしようと仲間と海を見に行きました。2月に撮った写真ですが、夏服で出歩けるほど暖かい気候でした。

2016年春

廣瀬 百合子

ローレンス大学3年

【学業面】

春学期中の4月16日から30日までの2週間、生物学の教授2人と学生14人と一緒に、研究材料採取や調査・研究のため、カリブ海のケイマン諸島へ、大学のプログラムで行きました。

(L.U.M.P.:Lawrence University Marine Program:2年に1度開講されます。)

また、春学期は3つの生物学のクラスをとりました。

BIOL434:Ecological Energetics

(生態学的エネルギー論)

BIOL505:Coral Reef Environments

(サンゴ礁の生態系機能学、環境適応生理学、多様性保全学)

BIOL599:Independent Studies-Applied Marine Microbiology

(自主研究-応用海洋微生物学)

Ecological EnergeticsとCoral Reef Environmentsのクラスは、L.U.M.P.(Lawrence Univ. Marine Program)の一貫として受けました。

ちなみに、Independent Studiesというのは、学生個人が興味のある分野に関するテーマを設定し、1人の教授の監督の下、1学期間そのテーマの研究を行うものです。6単位分の授業に相当する作業量(実験、リサーチ、レポートや論文、プレゼン等に費やす時間)を要すること、既存の授業と内容が被らないこと、明確なビジョンがあること等、幾つかの基準はありますが、その基準さえ満たせばテーマを自由に設定することが出来ます。私が今研究していることは、「ケイマン諸島の東西南北の様々な場所にある5箇所のダイビングスポットで見つけた13のイソギンチャクの腸から採取したバクテリアのDNAに関する考察」です。あの「ニモ」と仲が良い生物です。イソギンチャクは最も原始的な生物の1つと言われていて、口と腸しかありません。本当に必要なものはこれだけなのでしょうか…?それに比べて人間は複雑だなと感じました。

実際海に潜って感じたこと…上手く言葉では表せませんが、陸上と海中の世界はこんなにも違うのか…自分の存在、人間の存在をとても小さく感じました。世界に対する価値観がまた少し変わったというか、生物学を大学で勉強して本当に良かった、やはり、私が情熱を持って勉強出来るのはこの学問だと感じました。ダイビング・ライセンスを取得し、潜ることが出来て本当に良かった、と思いました。人生、海に潜らずに終わるのは本当に勿体無いと感じました。

イソギンチャクを探し出すことは、思っていた以上に大変でした。そして、水深15〜17メートルで、水圧のかかった環境の中でイソギンチャクの腸からバクテリアを採取する時は、思っていた以上に手の力が必要であることが分かりました。口道からシリンジ(注射筒)を入れ、シリンジの先についた針を消化管に通し、腸へ通し、そこからバクテリアを採取しました。これを13のイソギンチャクから採取したというわけです。その採取したものをどうしたのかというと、シリンジに入ったバクテリアをフィルターにかけて、ろ過します。フィルターを使う事で、研究対象のバクテリアを集積することができます。それを実験用綿棒を使って採取して、プレート培養します。

培養後、その生育区画で発育したバクテリアには均一の色がついて、平らで小~中の大きさのコロニーを形成します。このコロニーが研究対象の細菌・バクテリアになるわけです!

そして今、私がやっている事は、PCR法という方法を使い、遺伝子検査や微生物検査をすることです。遺伝子検査というのは、検出したい微生物が特有に持っている遺伝子をターゲットにしてバクテリアやウィルスを検出する検査で、その方法の1つとしてPCR法があります。

私なりに簡単に説明してみると、遺伝子はそのままでは目で見ることは出来ません。しかし、人工的に増やしたい部分だけを増やすことが出来るようになり、更に特別な装置を使えば目で検出することが出来るようになりました。その様々な技術の中でも代表的なものがPCR法です。PCR法というのは、増やしたい遺伝子のDNA配列にくっつくことができる短いDNA(プライマー)を用意し、酵素の働きと温度を上げたり下げたりすることで、目的の遺伝子を増やす方法です。増えたDNAを染め出す特殊な装置に入れる事で、増えた遺伝子を目で確認する事ができます。目で確認することが出来たら“陽性”と判定されます。逆に、目で確認出来なければ、検体の中に遺伝子がなく勿論増えることもないので、 “陰性”と判定されます。最近の技術の進歩に驚かされます!

【学生生活】

ローレンス大学には、LI (Lawrence International) という大学の学部留学生約200人で構成されている学生自治会が存在します。この学生自治会には、8人の役員 (Lawrence International Executive Board) がいるのですが、私はこの度、2016-2017年度の学生自治会役員の1人として大学に関わることになりました。私のポジションは、Communications Chairと言い、行事やイベント情報、Lawrence International Student Servicesからの重要事項等を学部留学生へメール送信することや、Director of International Student Servicesや会長、副会長と学生自治会員とのコミュニケーションの仲介役をしたり、特に人と多く関わるポジションです。他にも興味があるポジションはあったのですが、新4年生として自分がどうコミュニティーに関わっていくことが良いのかを考えた時、学生の中で最も長く(3年間)LI主催の行事やイベント等に参加してきた事や、知っているインターナショナル生の人数が最も多い事、人の話を聞いたり人と会話する事が好きだという事、Admissions Officeでのボランティアが活かせる事、などの経験が特に発揮出来るポジションではないか、と思い希望しました。又、私はもしboard memberになれば「学部留学在学生と学部留学卒業生とのコネクションを作るツールや場を提供できるような方法をつくりたい」ということを一つの目標として取り組んでみたかった、という理由もあります。春学期の5月からLawrence International Executive Board – Communications Chair として活動を始めたのですが、和気あいあいとしていて、来年のacademic yearがとても楽しみです。私にとってはローレンス大学生活最後の1年なので、忙しくはなりますが、「やっておけばよかった」と思うことが後でないように、色々なことに関わって取り組んでいきたいなと思っています。

 廣瀬さんの写真

写真1:Cayman IslandにL.U.M.P.で行った際に、私が深海でイソギンチャクの腸からバクテリアを採取しているところ。

 廣瀬さんの写真

写真2:Lawrence International Executive Board Members 2016 – 2017




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