英金融当局、サウジアラムコと「対話した」 – 日本経済新聞



 【ロンドン=篠崎健太】世界最大の石油会社、サウジアラムコの上場誘致をめぐり、英国の金融規制を担う金融行為監督機構(FCA)が今年初めにアラムコ側と対話していたことが13日、明らかになった。FCAはロンドン証券取引所への誘致をにらみ、特別な上場区分の新設を検討すると7月に発表した。優遇措置には批判も出ており、事前接触の事実は論議を呼ぶ可能性がある。

 同日公表された英下院議員宛の書簡で、FCAのアンドリュー・ベイリー長官が認めた。ロンドン証取上場の可能性に対するアラムコの関心を踏まえ「今年の早い時期に対話の場を持った」と説明。「我々は上場制度を見直し中であることを強調した」とも述べており、誘致へ強い意欲を伝えたことがうかがえる。

 サウジアラビア国営のアラムコは2018年中の新規株式公開(IPO)をめざしている。株式時価総額は2兆ドル(約220兆円)規模との見方があり、実現すれば史上最大のIPOになる。自国の取引所に加えて海外での重複上場を検討しており、ロンドン証取やニューヨーク証取などが有力視されている。

 FCAは7月、国有企業のIPOに優遇枠の新設を検討すると表明した。浮動株比率や情報開示の基準など、少数株主の利益を守るためのルールを緩めた特例を設けるとみられ、アラムコのロンドン証取上場を実現する布石といえる。ベイリー長官は「投資家保護が弱まるとは考えていない」としたが、企業統治がゆがむとの懸念は根強い。

 今回、特別上場区分に対する質問の回答として書簡を受け取ったニッキー・モーガン下院財務委員長は「英国が誇る世界水準の強い企業統治が骨抜きにされてはならない」とのコメントを出した。上場制度変更をめぐる政治関与の有無などを含め、FCAに追加の説明を求めていく方針だ。




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