都の国際金融都市構想、実現へ問われる実行力 – 日本経済新聞



 国内外の金融界トップや有識者らで構成する東京都の「国際金融都市・東京のあり方懇談会」(座長・斉藤惇KKRジャパン会長)は13日、海外の金融企業誘致などの施策案を盛り込んだ最終提言をまとめた。ただ、税負担の軽減や海外発信など都単独では実現が難しいテーマも多い。実行に移すには官民の協力体制をどう構築するかがカギとなる。

懇談会で挨拶する小池知事(右)(13日、都庁)

 最終提言を受けて都は11月に「東京版金融ビッグバン」として具体的な取り組みを打ち出す。13日の懇談会で小池百合子知事は(1)「官民一体のプロモーション組織」の設立(2)金融分野の表彰制度の創設(3)新興資産運用会社の育成プログラム導入――など5つの主要施策を公表。11月にはシンガポールに出張し、外資誘致へトップセールスすることも明らかにした。

 小池知事が16年夏の就任以来、看板として掲げてきた国際金融都市構想は実行段階に入る。肝煎りの有識者懇談会で1年間をかけて議論し、取り組むべきテーマも定まった。

 海外発信や新興金融企業の誘致・育成では、財団など官民一体でのプロモーション組織の設立を目指す。平野信行・全国銀行協会会長は「日本経済全体に有益な構想なので、全銀協としてもサポートしたい」と協力する意向を示した。一方で「ここまでの作業は概念設計(にとどまる)。実は中身がそんなに詰まっていない」と指摘。「アクションが大事だ」と訴えた。

 実行に移せなければ、構想は絵に描いた餅に終わる。斉藤座長は金融都市構想について「これまで色々な知事がやってきたが(結局)中ぶらりんになる。それではダメ」とクギを刺した。例えば舛添要一前知事も国際金融センターづくりを提唱して有識者による検討会を始めたが、立ち消えになった。

 小池知事も危機感は共有している。13日は最終提言を受けて「NATO(ノー・アクション、トーク・オンリー)にならないように協力をいただきたい」と要請。「これからはアクションの時代だ。アクションを進めていきたい」と宣言した。その言葉の真価がこれから問われる。




こんな記事もよく読まれています