鳥取に「日本の良さ凝縮」定期便で香港の客増加 – 読売新聞



 鳥取県の米子と香港を結ぶ国際定期便が、昨年9月の就航から1年を迎えた。

 山陰で15年ぶりの新規国際路線として注目を集め、搭乗率は3月以降、鳥取県が目標として掲げた70%以上を維持。県内観光地は香港からの旅行客が目立つようになった。県は訪日外国人(インバウンド)に加え、海外への日本人旅行客(アウトバウンド)の獲得も重視しており、さらに情報発信に力を入れる考えだ。

 「1年前までは、たまにしか見かけなかった香港からのお客さんが、今ではいるのが普通の光景になった。直行便の効果は予想以上」。鳥取県大山町の自然体験施設「森の国」の秋田圭一マネジャー(54)は状況の変化に驚きを隠さない。

 大山に近い同施設では、豊かな自然を生かしたサイクリングやキャンプ、シャワークライミングなどが人気。従来は関西国際空港から高速バスなどで約4時間かかったが、定期便就航により、米子空港から車で約40分で来られるようになった。レンタカーで訪れる家族連れやカップルが目立つという。

 秋田さんは「従業員も英語での対応に慣れてきた。この機に観光客の心をつかみ、リピーターの獲得につなげていきたい」と話す。

 定期便は、2013~15年に運航されたチャーター便の利用が好調だったことから実現。昨年9月に就航し、毎週水、土曜日に各1往復運航している。50%台からスタートした搭乗率は、3月から6か月連続で70%超え、6月には初の80%超えとなる81・2%を記録した。

 定期便就航に合わせ、県は昨年度から、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を使った海外向けの情報発信を強化。香港をはじめ海外の人気ブロガーらを招き、県内でのロケや取材ツアーを繰り返してきた。その効果もあり、香港からの延べ宿泊客数は今年上半期で1万1130人と、前年同期(5640人)から倍増。観光地もにぎわいを見せる。

 県観光戦略課の岡山佳文参事は「自然や食べ物、神話など日本の良さが凝縮された『コンパクト・ジャパン』として、鳥取の注目度はこれまでになく高まっている」と手応えを語る。

 香港国際空港は、アジアのほか豪州やカナダへの路線を持つ中継拠点。県は、香港から各都市への乗り継ぎ利用を促進し、アウトバウンドの底上げを図りたい考えだ。現在、4人以上のグループで香港に行く場合は1人3000円、香港から各都市へ乗り継ぐ場合は2人以上で同額を助成。同様に香港との定期便を持つ広島、岡山空港利用者との差別化を図る。

 県はさらに、香港を経由するツアー商品の売り込みや、東南アジアなどへのビジネス客の取り込みにも力を注いでいく。

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 米子―香港便の就航1周年を記念する式典が16日、米子空港(境港市)であり、関係者約30人が節目を祝った。

 鳥取県の平井知事は「この日を、アニメや温泉、カニなど鳥取の良さをさらにアピールしていく契機にしたい」とあいさつ。鏡開きをして1周年を祝った。

 その後、国際線到着ロビーで、平井知事らが香港から到着した外国人客らを出迎え、県産の二十世紀梨を振る舞った。

 夫婦で訪れた香港の会社員男性(51)は、「日本には10回以上来ているが、鳥取への直行便があることを知り、初めて利用した。『水木しげるロード』や鳥取砂丘に行ってみようと思う」と話していた。(古賀愛子)




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